【 まるっと見せちゃう作業工程(刺繍編)】

刺繍と言ったら高級なイメージがありますよね。
ご自分で手縫いの刺繍をなさる方なんかは手間と技術の大変さも御存じかと。
工芸品や芸術品の刺繍の技術は素晴らしいものです。
でももっとお手軽に。ファッションにとり入れたいですよねえ。
当社の刺繍はコンピュータで作成した刺繍データをコンピュータミシンで縫う機械縫い刺繍です。
職人さんの卓越した技術を必要としないため手振り刺繍より型代も1単価も安価にできます。
しかしながら機械刺繍ならではの技術もあったりなかったり。
工程をみていただいて型代や技術料がなんなのか理解していただければ。

●刺繍が出来上がるまでの大まかな工程
@ お客様からデザインを入稿頂く。
A デザインをPCの専用ソフトに取り込み。
B 専用ソフトにて刺繍のデータ作成
C データを刺繍用ミシンに読み込む。
D 刺繍する生地をミシンにセットする。
E 刺繍完成
だいたいこんな手順で刺繍は出来上がります。
さすが機械刺繍。簡単ですね。
さてさて、でもここからが「しかしながら」なのです。

※とってもよくあるお問い合わせ

「イラストレータや画像などのデジタルデータで入稿だと型代はかからないのでは?」

とのご質問がとってもよくあるのです。
でも機械刺繍といっても、PCのキーボードを押して画像がワンタッチで刺繍になる・・・
わけではないのでオリジナルデザインの場合ほとんどの場合型代は発生します。
(※刺繍ソフトで簡易的にワンタッチで刺繍にはなることはなりますがクオリティが低いのです。)
そこで、どういう工程で刺繍が出来上がるか↓ここからご説明しますね。


@ お客様からデザインを入稿頂く。
たとえばこんなデザイン→
手描きの原稿ですよ。

「色も線もこのまんまで」
「大きさは縦7センチ」
「衣類に直接刺繍して」

刺繍の場合はデザインの原稿にそんなに細かい規定はありません。
作業工程のBで刺繍のデータを作成する際に修正をしながらしながら入力するのでフリーハンドで書いていただいた原稿でも大丈夫です。
もちろんデジタルデータで鮮明なものを頂けるならその方が修正が少なくありがたいです。
その場合、互換の関係でデータが開けない場合があったりしますので
データをメールで送って頂く場合、jpegなど画像を添付
●メディアをお持ち頂く場合はプリントアウトしたものを添えてください。

※店頭でスマホ画面を見せてくださって「これ、やってください」
というお客様すごく多いのですが、
しっかり確認しながら良いものを作りたいと思っております。
原稿の現物は必ずご用意下さい。

反対に手描きの原稿の場合修正料が発生する場合がありますが基本的には作業工程は同じなのでデータの種類での金額は変わりません。


A デザインをPCの専用ソフトに取り込み。
刺繍作成ソフトの画面ですよ。

まだ、原稿画像を表示しているだけです。
刺繍のデータはゼロです。

お預かりした原稿を刺繍を作成するためのソフトにスキャナで取り込みます。
この作業は原稿をソフト上に画像として表示させるだけなので輪郭が確認できれば
基本的にデータ入稿でも手描きの画用紙でも原稿の種類はなんでも良いです。

B 専用ソフトにて刺繍のデータ作成
刺繍作成ソフトの画面ですよ。

画像の上に刺繍のデータを入力してます。
糸で埋める部分を色ごとに作っているところです。
画面はたぶんアウトラインを黒でとってる最中ですね。
取り込んだ原稿を手入力でトレースをします。
原稿の上をなぞって縫う箇所をパーツごとに作って重ねていく感じでしょうか。
パーツが多く細かいデザインや表現が 難しいものは入力作業と時間がかかります。
そうそう、ご参考までに。
型を作る際、意外と手間がかかって大変なものが「漢字」や「縁取り」なんです。
なのでこれらが入ったデザインの型代はそれなりに金額が上がります。

当社でいう刺繍の型代とはこの手入力でパーツを作って組み合わせるデザイン作業の工賃です。
文字の刺繍については既存のFONTがあるのでそこからお選び頂ければ型代がかかりません。

でも既存のFONTに「縁取り」を付ける場合は縁をなぞって入力する作業が有り、別途型代掛かります。

また、文字を刺繍する場合は6mmくらいが刺繍で表現できる限界の小ささです
これ以上小さいと文字として認識は出来る・・・程度のクオリティに。
ええー。・・・正直キレイではないのでおすすめはできないです。


※とってもよくあるご質問

「イラストレータや画像などのデジタルデータで入稿だと型代は安くなりますか?」
PCの画面上ではありますが基本的に入力作業は手作業になります。
データの種類で金額は変わりませんが、目視でトレースできないレベルの
細かいデザイン&不鮮明なデジタル画像などは
別途修正代発生するかも知れません。
インターネットで拾ってきたものなどスマホの小さな画面上では鮮明に見えても解像度が低すぎてアウトライン確認できない場合もありますので、お持込前に原寸にプリントアウトするなどご確認お願いいたします。


「普通にPCに入ってるFONTだからそのまま使えるんで型代かからないですよね?」
うん、PCで作業していますからそう思いますよね。そうなんですけど、
でも、ごめんなさい!
PCに標準で入っていてワープロソフトで使えるFONTでも、刺繍用のデータにそのまま変換ができるわけではないので当社でご用意できるFONT以外は型を作ります。
なので、型代は発生します。ご了承ください。

C データを刺繍用ミシンに読み込みます。
刺繍用ミシンの画面ですよ。


いかに刺繍の専用ソフトといえどもこのままPCの画面に表示されている段階では刺繍とは言えません。
刺繍を縫ってくれるミシンにデータを移動します。
このミシンコンピュータ搭載のなかなかの頭のよい奴です。
PCから貰ったデータを読み込むと情報を確認。
針数・色数・縫い時間など表示されます。

D 糸を選んでセット。
糸を。

いろんな色ありますよ。

このミシンの糸替えは基本9色まで。
糸の色は多数取り揃えているのでご希望に近い色お選びいただけます。
このデザインは5色使ってるので糸5本セット!
そしてさっきのコンピュータ画面で色の縫い順を入力します。

E 刺繍する生地をミシンにセット。
刺繍用の枠ですね。

がっちょん
まず機械にセットするための枠に生地をはめます。
刺繍する箇所をピンと張って平らな状態を維持するためにキツめに。
生地にたわみがあると歪みやズレが出るので、柔らかい生地などには
裏芯を張ったりいろいろ工夫をしなければならない結構むつかしい工程です。
この枠はデザインに合わせて大きさがいろいろあります。
機械刺繍の場合、枠がはまらないものは機械にセット出来ず刺繍はできないのです。

がっちょんと刺繍機にセットします。

F 刺繍します。
縫ってます。

おへそを縫い終わり
縁取りに取りかかるとこですね。
Tシャツなどのニット素材は縫う最中ひっぱられて縮むので縫製スピード遅めで。
縁取りなんかはゆっくりじっくりの方がずれにくいです。
ちなみに今回の条件でこの子ひとつ縫うのに15分要します。

G 刺繍完成
完成しました。

こんな感じでワンポイント
やっとこ刺繍完成!

さて、この刺繍デザインにかかるご予算。
以下のようになります。

型代 5,000円(税別)
1個単価(H6×W4cm)@1000円(税別)
50枚以上など枚数大量の場合再見積もり致します。

出来上がった型の配色を変えたり1センチ前後の拡大縮小は無償で承れます。
その他の変更には別途修正料などかかる場合があるのでご相談ください。

作った型はご注文から3年間は保管してますので継続してご注文いただければ
ずっと当社で保管致します。

といった感じで。
刺繍の出来るまで工程。
なんとなくおわかりいただけましたでしょうか?

「へー、じゃあちょっと作ってもらおうかしら」
なんてお気軽にご依頼いただければ幸いです。
頑張ってステキな刺繍作ります!

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